対人関係療法研究会の皆様へ
臨床現場でご尽力されている皆様に少しでもお役に立つ情報をお伝えできればという思いで、定期的にIPT-JAPAN通信を発行しております。IPT-JAPAN通信Vol.16では、まず、前回の特別号でもご案内いたしましたスーパービジョン(SV)について、再度簡単にご紹介いたします。また、12月までに予定されているIPT-JAPANワークショップの開催日程もあわせてご案内いたします。さらに、2025年9月に千葉で開催される国際双極症学会(ISBD)、8月に東京で開催される日本トラウマティック・ストレス学会のプレコングレスについても併せてお知らせいたします。
IPT-JAPAN通信編集委員会
○●IPTトレーニングコースの案内●○ 世話人 安達 圭一郎
このたび、日本においても isIPT(国際対人関係療法学会)に正式に認められた「認定IPT治療者」養成のためのトレーニングコース を開始する運びとなりました。世界標準に則ったIPTの専門性を国内で着実に身につけていただくための、大きな一歩となります。この内容は 4月の「IPT-JAPAN通信・増刊号(2025.4.11)」 でもご案内いたしましたが、改めてお知らせいたします。
▶ 詳細はこちら:IPT-JAPAN通信 増刊号(2025.4.11)
増刊号を発行した後に次のような質問をいただきました。
Q:認定治療者でなくても、IPTを実践できますか?
A:はい。現在実践されているIPTが、症例の体験を増やすという意味で、また、実践応用編に提示する症例数を増やすという意味でも、トレーニングコースの一環と考えられますので、IPTの実践そのものを制限する意図はございません。認定治療者になると内外にそれを知らしめる権利を得る(経歴の一つになる)とお考えいただければと思います。
Q:今後も実践応用編は開催されますか?
A:はい。認定スーパーバイザーによる新たなトレーニングが開始された後も、実践応用編はこれまで通り継続開催されますので、どうぞご安心ください。実践応用編は、実践入門編修了者を対象に、症例の逐語録をもとにグループで検討を行う、実践的な学びの場です。IPT特有の「親しさサークル」や「症例概要図」を用いて、ケースフォーミュレーションやコミュニケーション分析といった、IPTの中でも重要な要素の理解を深めていただきます。また、実践の機会がまだない方も「見学参加」が可能です。なお、認定IPT治療者を目指す場合、スーパービジョンのうち少なくとも1回は実践応用編での発表が必要となっております。
○●ワークショップ開催案内●○ 世話人 岩山 孝幸
今後、以下の日程でワークショップの開催を予定しています。ご都合のつく方は、ぜひご参加をご検討ください。
実践応用編(オンライン開催)
• 7月27日(日)
• 9月21日(日)
• 12月7日(日)
※Zoomを用いたオンライン形式で実施いたします。全国どこからでもご参加いただけます。
実践入門編(対面開催)
• 10月12日(日) 開催地:東京、サテライト会場:山口・名古屋・金沢(予定)
※各地の会場をつないだ対面形式を予定しており、お住まいの地域に応じてご参加いただけます。
詳細・申込方法については、順次ご案内いたします。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
○●学会のご案内●○ 世話人 利重 裕子
9月17日(水)~19日(金)に、千葉県の幕張メッセにて「第27回 国際双極症学会(ISBD 2025)」が開催されます。基調講演には、日本の双極症研究の第一人者である加藤忠史先生をはじめ、ISBDの新ガイドラインに関する講演やシンポジウム、さらに当事者としてご自身の経験を発信されている小児科医の方も登壇予定とのことです。プログラムの概要は https://www.isbd.org/2025AnnualConference でご確認いただけます。
また、8月2日(土)、3日(日)と東京都の一橋講堂にて「第24回日本トラウマティック・ストレス学会学術総会」が開催されます。8月1日(金)にはプレコングレスが開催され、今回は、はじめてIPTをテーマとしたセッションも設けられます。前川浩子先生、岩井圭司先生、利重が対面で登壇し、PTSDに対する対人関係療法の基本と実践について、単回トラウマおよび複雑性トラウマの症例を交えながら具体的にお伝えいたします。
プレコングレスのプログラムの概要はhttps://va.apollon.nta.co.jp/jstss24_precon/でご確認いただけます。詳細・お申込みはこちらhttps://va.apollon.nta.co.jp/jstss24_precon/からお願いいたします。参加受付締切日は7月10日(木)です。ご都合が合いましたら、ご参加いただけますと幸いです。
○●お知らせ●○
2025年3月14日(金)開催の世話人会にて全会一致で承認され、海野素麗先生が4月1日付で新たに世話人にご就任されましたことをご報告いたします。
○●編集後記●○
最後までニュースレターをお読みいただき、ありがとうございます。今回は年齢的に変化の真っただ中にいて、もやもやしている私の心境を、一方的ではありますが、記載させていただきます。
高校生の頃、田舎の高校の渡り廊下で、夕日を見ながら友人と「これから、どう生きていくんだろう?」と語り合っていました。当時はもやもやとした不安を抱えながらも、未来には無限の可能性が広がっていると信じ、興味を持ったことには止められても全力で突き進んでいました。あれから20年ほど年月が経ち、あの頃とよく似ている感情を再び味わっています。かつては、まだ見ぬ可能性に胸を躍らせながら未来を見つめていましたが、今はその頃とは違って、これから先、気力も体力も少しずつ衰えていくことを意識するようになりました。古代中国の五行思想では、人の一生を自然の移ろいになぞらえて「玄冬」「青春」「朱夏」「白秋」という四季に例えています。「青春」の時期に感じていたもやもやは、「これから始まる人生」の不確かさから生まれたものである一方で、「朱夏」の今感じているもやもやは、人生の「終わり」がほんの少し視界に入りはじめたことも一因なのだと思います。今はまだこのもやもやからまだ抜け出せずにいますが、青春の頃のようにがむしゃらに動き回ってやりたいことを見つけていくのではなく、歩みを進めることで何かに気づく時期がくると信じながら、ひとつずつ丁寧に今できることをコツコツと続けていきたいと考えています。
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